1866年、当時ベルリン最大となるシナゴーグ(ユダヤ教会堂)「新シナゴーグ(ノイエ・シナゴーグ)」が開館しました。この宗教的中心地は、1685年のポツダム勅令によって宗教の自由が認められた以降、ユダヤ人がベルリン社会に完全に溶け込んだことを象徴する存在でした。
そもそもベルリンにユダヤ人が定住し始めたのは1671年のこと。ウィーンから追放された裕福なユダヤ人家族50世帯を、ブランデンブルク選帝侯フリードリヒ・ヴィルヘルム(大王選帝侯)が宮廷に受け入れたのが始まりとされています。
19世紀には、前世紀にユダヤ教の改革を進め、正統派ユダヤ教の信仰から大きく距離を置いていたこともあり、ベルリンのユダヤ人は社会へと深く統合されていきました。

水晶の夜から戦災へ ― 新シナゴーグの悲劇
新シナゴーグは長きにわたり、市内におけるユダヤ教礼拝の中心であり続けました。しかしその役割は、1938年11月9日、「水晶の夜(クリスタルナハト)」と呼ばれる悲劇の夜に突然断たれます。建物は暴徒によって荒らされ、放火されましたが、警察の介入のおかげで全壊は免れました。ただし建物はこの際に接収され、ドイツ軍の倉庫として利用されることとなりました。
そして1945年4月、ベルリンの戦い直前の激しい空襲により、建物はついに崩壊しました。現在目にできる正面ファサードと玄関ホールは、1990年代になって再建されたものです。

新シナゴーグへのアクセス
新シナゴーグはオラニエンブルガー通り(Oranienburger Straße)沿いに位置しています。アクセスはSバーンが便利で、S1・S2・S26のいずれかに乗車し、「オラニエンブルガー通り(Oranienburger Straße)」駅で下車します。地下鉄U6のオラニエンブルガー・トーア(Oranienburger Tor)駅からも徒歩圏内です。最適な乗り換え経路は、DB(ドイツ鉄道)などの路線検索サイトで確認するとよいでしょう。
新シナゴーグの開館時間
- 10月〜3月
- 月曜〜木曜:10:00〜18:00
- 金曜:10:00〜15:00
- 土曜:休館
- 日曜:10:00〜18:00
- 4月〜9月
- 月曜〜木曜:10:00〜18:00
- 金曜:10:00〜18:00
- 土曜:休館
- 日曜:10:00〜19:00
新シナゴーグの見学について
1990年代の再建で復元されたのは、正面ファサードと玄関ホールのみであり、かつての礼拝堂本体が再建されることはありませんでした。敷地内には小さなユダヤ文化センターがあり、内部を見学することは可能ですが、規模は小さく見どころは限られています。とはいえ、金色のドームをいただく壮麗な外観は往時の面影を今に伝える貴重な存在であり、ベルリンの歴史をたどるうえでぜひ訪れたいスポットといえるでしょう。