歴史物語

マヤ暦使用の最古の痕跡か――グアテマラのピラミッドから「7鹿」の日付を記した断片が出土

マヤ暦をめぐる考古学の新発見

マヤ暦は、2012年の「世界終末予言」と結びつけられて大きな話題となったことでも知られています。しかし中米で続けられている考古学調査は、今なおマヤ文明に関する新たな発見をもたらし続けています。

最近の発見の一つが、グアテマラにあるピラミッドで報告されました。調査が行われたのは、グアテマラ北部のジャングルに位置するサン・バルトロ遺跡(ペルーにある同名の地名とは別の場所です)。この地は紀元前4世紀頃から西暦250年頃まで、地域におけるマヤの重要な中心地でした。

マヤ暦使用の最古の痕跡か――グアテマラのピラミッドから「7鹿」の日付を記した断片が出土

出土した2枚の漆喰壁の断片をつなぎ合わせると、古代マヤの260日暦における「7鹿(7 Deer)」の日付が記されていることがわかりました。手のひらに収まる大きさのこれらの断片は、壁画の場面や人物像に添えられた、いわば古代の「時刻の目印」だったと考えられています。写真/REGIONAL ARCHAEOLOGICAL PROJECT SAN BARTOLO-XULTUN

紀元前3世紀にさかのぼるグリフ

実はサン・バルトロでは2001年、埋もれた部屋が発見され、マヤの儀式や神話の場面を描いた数多くの絵画が見つかっていました。そして今回注目されたのは、上記のピラミッドから出土した壁画の断片2点です。そこには、あの有名な暦への言及がグリフ(象形文字)の形で残され、「7鹿」の日が記されていました。

このグリフは紀元前3世紀にさかのぼるもので、マヤ暦の使用を示す痕跡としては史上最古のものとなります。これまで確認されていた最古の痕跡は紀元前1世紀のものであり、その記録を約200年も遡る快挙です。

意図的に破壊された壁が秘める謎

残念ながら、読み取ることができた日付は「7鹿」のみです。テキサス大学のデイヴィッド・スチュアート氏によれば、断片が属していた壁は、当時のマヤ人が建て替えを行う際に意図的に破壊した可能性が高いといいます。その改築の結果、建物は最終的に高さ約30メートルのピラミッドへと姿を変えたのです。

このピラミッドが、マヤ暦に関わるものだけでなく、他にどのような秘密を隠しているのか――今後の調査の進展が大いに期待されます。

出典:

  1. Earliest evidence of Maya calendar found inside Guatemalan pyramid, CNN, https://edition.cnn.com/style/article/maya-calendar-guatemala-pyramid-intl-scli/index.html(2022年4月19日閲覧)
  2. Gibbs, This hieroglyph is the oldest known record of the Maya calendar, Science News, https://www.sciencenews.org/article/maya-calendar-hieroglyph-date-oldest-evidence(2022年4月19日閲覧)