歴史物語

バシャノサウルス:世界最古の剣竜の可能性――中国で約1億6800万年前の新種化石を発見

中国で発見された新種の剣竜「バシャノサウルス」とは

中国とイギリスの研究チームは、中国・重慶地方の地層から、全長約2.8メートルと比較的小さいながらも迫力のある外見を持つ新種の剣竜(ステゴサウルス類)「バシャノサウルス(Bashanosaurus primitivus)」を発掘したと発表しました。化石が含まれていた地層の年代は約1億6800万年前、ジュラ紀中期にあたります。

この発見は、アジアにおける最古の剣竜であるだけでなく、おそらく世界最古の剣竜でもあることを意味します。剣竜類の登場時期を大きく遡るものであり、このグループの祖先がアジアで最初に出現した可能性を強く示唆する成果として注目されています。

化石の内容と命名の由来

研究チームが回収したのは、背骨(脊椎)、肩まわりの骨、腰の骨、後肢、肋骨など、比較的よく保存された骨格の一部です。属名の「バシャン(巴山)」は、化石産地である重慶地方の古代の呼び名にちなんだもので、種小名「プリミティブス(primitivus)」は「原始的な」という意味を持ちます。

研究論文は、脊椎動物古生物学の専門誌「ジャーナル・オブ・ヴァーテブライト・パレオントロジー(Journal of Vertebrate Paleontology)」に掲載されました。

剣竜類はどんな恐竜?

剣竜類は、背中に並ぶ大型の骨板(プレート)、長い尾、そして体に対して非常に小さな頭部が最大の特徴です。四足歩行の草食恐竜であり、その化石はオーストラリアと南極大陸を除くすべての大陸から発見されています。北米で有名な「ステゴサウルス」もこの仲間です。

これまでに確認されている剣竜類は14種。今回発表されたバシャノサウルスが、その新しい一員として加わることになりました。初期の剣竜の姿を色濃く残す本種の研究は、剣竜類の進化の道筋や分布拡大の歴史を解き明かす、重要な手がかりになると期待されます。