
古代エジプトの女性たちが用いていたしわ取り剤は、すべて天然成分をベースとしたものでした。
スキンケア、すなわち顔だけでなく全身の肌の手入れこそが、古代エジプト人にとって美しさの基本でした。
彼らは他の文明の人々と同じように、肌をできるだけ長く滑らかで、柔らかく、引き締まった状態に保とうと努めていました。
そのためにまず欠かせなかったのが、老化のサインに立ち向かうこと。これこそが、美しさを保つための最初の基本ステップとされていました。
これを実現するために、彼らは自然の力と少しの知恵に頼りました。
古代エジプト人は植物やハーブの効能について深い知識を持っており、それらを巧みに配合することで、副作用のない効果的な化粧品を作り出していました。
しわ取りとして特に好んで用いられたのは、さまざまな由来の蝋(ろう)、モリンガオイル、そして乳香(フランキンセンス)などの成分です。
また、カラマス(菖蒲の一種)も優れたしわ取り剤として重宝されていました。湿地に自生するこの植物には、肌の回復・栄養補給・弾力アップといった確かな効果があるとされ、驚くことに今日でも生薬製品の原料として使用され続けています。
数千年の時を経てもなお通用する、古代エジプトの自然派美容の知恵。現代のスキンケアにも通じるその思想は、私たちに多くの示唆を与えてくれるでしょう。