
夜のライトアップに浮かび上がるコロッセオの美しい姿。しかし、この世界的建造物の名前には、意外にも「悪魔」にまつわる伝説が関係していると言われることがあります。
なぜ「コロッセオ」と呼ばれるのか?
世界で最も有名な記念碑となったこの巨大な円形闘技場は、当初「フラウィウス円形闘技場(アンフィテアトルム・フラウィウム)」と呼ばれていました。この名称は、建設を命じたフラウィウス朝の皇帝ウェスパシアヌスとティトゥスにちなんだものです。
一方、「コロッセオ」という呼び名が定着したのは、それから長い歳月が経った中世に入ってからのことでした。
有力な由来は「ネロの巨像」説
名前の由来として最も広く受け入れられているのは、この建造物がネロ帝の巨大なブロンズ像のすぐ近くに建っていたため、その像にちなんで「コロッセオ(巨像)」と呼ばれるようになったという説です。
もう一つの説――悪魔の神殿伝説
しかし、由来については他の諸説も存在します。なかでも印象的なのが、コロッセオは古代において悪魔に捧げられた異教の神殿であり、その特異な性格こそが名前の起源になったとする説です。
この興味深い仮説によれば、壁内で定期的に行われていた悪魔崇拝の儀式の締めくくりに、司祭は信者一人ひとりに対してラテン語で 「Colis Eum?」 すなわち 「彼(悪魔)を愛するか?」 と問いかけたといいます。この「Coliseum(コリゼウム)」という言葉が転訛し、いつしか「Colosseo(コロッセオ)」へと変化したのだそうです。
もちろん、これはあくまで後世に生まれた伝説的な逸話ですが、古代ローマ最大の闘技場にまつわる神秘的な物語として、今も人々の想像力を掻き立ててやみません。