
ビールは世界最古の醸造酒の一つとして知られ、その歴史は数千年前にまで遡ります。しかし意外にも、イタリア初の「パブ(ビール店)」の起源は、なんと西暦83年、古代ローマ時代にまで遡るのです。
創始者はブリタニア総督アグリコラ
この当時としては画期的な「パブ」を開いたのは、グナエウス・ユリウス・アグリコラという人物です。彼は長年にわたってブリタニア(現在のイギリス)の総督を務め、その任務を終えてローマへ帰還する際、グレヴム(現在のグロースター)出身の熟練した醸造職人3名を伴ってきました。
グレヴムとは、当時から黄金色のあの飲み物=ビールが長きにわたって大いに親しまれていた土地です。アグリコラは、この地で培われた本場の醸造技術をローマに持ち込んだことになります。
ローマに開かれた最初のビール店
帰還後、アグリコラはローマに一軒の店を構えました。そこでは、さまざまなスタイルのビールを味わうことができ、しかも手頃な価格で提供されていました。まさに現代人が想像するパブの姿そのものだったのです。
現代のビアホールとの違いはごくわずか
驚くべきことに、当時のこの店と現在のビアホールやブルワリーとの違いは、数こそ少なく、内容もそれほど重要なものではなかったと伝えられています。
約2000年前の古代ローマにおいてすら、人々が店に集まり、気軽にビールを楽しむ文化が確立されていた――こうした歴史的な事実を知ると、ビールとパブの魅力がより一層深く感じられるのではないでしょうか。