歴史物語

17世紀の「処女回復」の秘薬――1678年ヴェネツィア化粧書に見る驚きの処方

17世紀の「処女回復」の秘薬――1678年ヴェネツィア化粧書に見る驚きの処方

17世紀の女性。当時の美容指南書には、美しさを磨く方法だけでなく、失った「処女」を取り戻すための秘訣まで記されていた。

古い美容書に隠された意外な「秘密」

かつての女性向け美容書の中には、現代人を驚かせるような興味深い情報が潜んでいることがある。より魅力的になるためのクリームや調合薬のレシピだけでなく、なんと失われた処女を取り戻すための秘薬まで記載されていたのである。

1678年ヴェネツィアの化粧書に残された処方

その代表例として挙げられるのが、1678年にヴェネツィアで刊行された化粧品論『Secreti nobili dell'arte profumatoria(香料芸術の高貴なる秘密)』だ。この書物には、安全かつ正しい使用方法まできちんと添えられた、興味深い処方が登場する。

「Ad astringendum vulva(膣を引き締めるために)」という項目の下には、次のような説明が記されている。

「ローマ人がエルサレムから持ち帰ったピスティック・ナルド(スパイクナード)の雪花膏(せっかこう)。これは万病に効くとされ、女性の子宮の病への治療薬としても優れ、マグダラのマリアもその昔これを用いたと伝えられる」

「一時的」な処女回復

つまり、この調合薬を使えば、一時的ながらも処女に「戻れる」ということだったようだ。当時の社会において処女性がいほど重視されていたか、また、人々のそうした思いを商機と捉えた化粧品業界のしたたかさをも物語る、興味深い歴史の断片といえるだろう。