歴史物語

「真実を求めるスウィフト・ボート・ベテランズ」を支援したのは誰?~2004年米大統領選の裏側~

「真実を求めるスウィフト・ボート・ベテランズ」とは

「真実を求めるスウィフト・ボート・ベテランズ(Swift Boat Veterans for Truth)」は、2004年アメリカ大統領選挙において、民主党候補のジョン・ケリー上院議員に対する攻撃広告を展開したことで知られる政治団体です。同団体は、複数の保守系グループや個人から、資金面および運営面での強力な支援を受けていました。

主な支援者・後援団体

  • 共和党全国委員会(Republican National Committee)
  • カール・ローヴ(Karl Rove)――当時のブッシュ政権の中核を担う政治顧問
  • ジャック・アブラモフ(Jack Abramoff)――保守派の著名なロビイスト
  • ルイス・“スクーター”・リビー(Lewis "Scooter" Libby)――チェイニー副大統領の首席補佐官
  • リチャード・メロン・スカイフ(Richard Mellon Scaife)――保守系の富豪・慈善事業家
  • ブラッドリー財団(The Bradley Foundation)
  • オーリン財団(The Olin Foundation)

支援の内容と選挙への影響

これらの団体や個人は、資金提供や組織的なロジスティクス支援を通じて、同団体によるテレビ攻撃広告の制作・配信を後押ししました。その結果、ケリー氏のベトナム戦争従軍経験の信頼性を疑う一連の広告が全米で放送され、2004年の選挙戦に大きな影響を与えたとされています。

なお、これらの広告の内容については、当時から事実関係をめぐる多くの疑義が指摘され、ケリー氏の元部下や軍の公式記録などによって反論もなされました。このキャンペーンは、米国政治史上最も物議を醸したネガティブ選挙活動の一つとして記憶されており、「スウィフト・ボーティング(swiftboating)」という言葉が「根拠に基づく中傷攻撃」の代名詞となるきっかけともなりました。