歴史物語

グラスハーモニカの発明者はベンジャミン・フランクリンではない?知られざる真実と改良の歴史

「ベンジャミン・フランクリンがグラスハーモニカを発明した」というのは、実はよくある誤解です。グラスハーモニカの原型となる楽器を最初に考案したのは、1741年のアイルランド人音楽家リチャード・ポックリッジ(Richard Pockrich)でした。

ポックリッジによる最初の発明

ポックリッジが発明したのは、大きさの異なるグラスに水を入れ、濡らした指で縁をこすって音を出す「エンジェリック・オルガン」と呼ばれる楽器でした。ワイングラスなどを並べて演奏するこの仕組みは、当時のヨーロッパで大きな話題となり、各地で演奏会が開かれました。

フランクリンによる画期的な改良

その後、アメリカの博学者ベンジャミン・フランクリンはこの楽器に強い関心を抱き、1761年頃に設計を大幅に改良しました。彼が考案したのは、大きさの異なるガラスの鉢を回転軸に重ねて取り付け、足踏みペダルで回転させながら指で触れて演奏できるという新しい構造でした。

この改良により、以下のような点が大きく向上しました。

・演奏が格段に容易になった
・チューニングが安定し、正確な音程が出せるようになった
・より豊かで透明感のある音色を実現した

「アモニカ」としての大流行

フランクリンが改良した楽器は「アモニカ(armonica)」と名付けられ、18世紀のヨーロッパで爆発的な人気を博しました。モーツァルトやベートーヴェンなど、著名な作曲家たちもこの楽器のために作品を残しています。

まとめ

つまり、フランクリンはグラスハーモニカの「発明者」ではなく、既存の楽器を飛躍的に進化させた「改良者であり普及者」だったのです。しかし、その貢献の大きさゆえに、今日では彼が発明者として語られることが多いのも事実です。