スカラワッグ(Scalawag)とカーペットバッガー(Carpetbagger)は、アメリカ南北戦争後の「レコンストラクション(再建)時代」において重要な役割を果たした二つの集団です。これらの言葉は当時の南部社会で広く使われ、それぞれ異なる出自を持つ人々を指していました。
スカラワッグ(Scalawag)とは
定義
スカラワッグとは、レコンストラクション期に共和党を支持し、連邦政府による南部再建政策に協力した白人南部人のことです。彼らの多くは元ホイッグ党員や、南北戦争中に南部の連邦脱退に反対したプランター(大農園主)階級の出でした。
特徴
- 生まれも育ちも南部という、正真正銘の南部出身者である。
- 裕福な家庭や名士の家系の出が多かった。
- 共和党とその政策――アフリカ系アメリカ人の公民権や南部の経済再建など――を支持していた。
- 「ネイティブ・リパブリカン(地元出身の共和党員)」と呼ばれることもあった。
レコンストラクションにおける役割
- 地方から州レベルまで、さまざまな公職に就いた。
- 連邦政府と連携し、再建政策の実施に取り組んだ。
- 共和党との協力を恨む多くの白人南部人から、敵意や抵抗を受けた。
カーペットバッガー(Carpetbagger)とは
定義
カーペットバッガーとは、南北戦争後に北部から南部へ移り住み、政治やビジネスに関わった人々のことです。多くは共和党の支持者で、「個人的な利益のために南部を食い物にする部外者」と見なされることが少なくありませんでした。この呼び名は、彼らがカーペット素材の旅行鞄ひとつで南部に乗り込んできたというイメージに由来すると言われています。
特徴
- 出身は北部で、南部との縁はほとんど、あるいは全くなかった。
- 南北戦争中に北軍(ユニオン軍)に従軍した経験を持つ者が多かった。
- 多くの白人南部人から、よそ者の日和見主義者と見られていた。
レコンストラクションにおける役割
- 政治職に就き、政府の政策決定に影響力を及ぼした。
- 土地投機や鉄道建設など、多彩な事業に参入した。
- 汚職や私腹を肥やす行為で非難されることもあった。
言葉の背景と歴史的評価
「スカラワッグ」「カーペットバッガー」という言葉は、レコンストラクションに反対する白人南部人によって、しばしば中傷的な意味合いで使われました。彼らにとってこの二つの集団は、北部からの干渉と、南部の伝統的な社会・政治秩序の崩壊を象徴する存在だったのです。
しかし一方で、スカラワッグやカーペットバッガーの中には、レコンストラクションの理念――解放された奴隷の権利保護や社会的平等――を心から信じ、かつて奴隷とされた人々やその他の疎外された集団の生活向上のために尽力した者も確かに存在しました。現代の歴史学では、こうした否定的なイメージには後世の「ロスト・コーズ」神話によって誇張された側面があるとも指摘されています。