歴史物語

トマス・ペインの『コモン・センス(常識)』――パンフレットが説いた主なテーマとは?

トマス・ペインが1776年に発表したパンフレット『コモン・センス(Common Sense、常識)』は、アメリカ独立革命の流れを決定づけた歴史的文書です。その中心テーマは、「個人の自由」と「自治の権利」にあります。

『コモン・センス』が提示した5つの主要な論点

1. イギリス政府への批判

ペインは、イギリス政府によるアメリカ植民地支配を抑圧的で不正なものとして厳しく批判しました。イギリス政府には植民地を統治する正当な権限はなく、すでに植民地の人々の権利と自由を侵害していると主張したのです。

2. 自然権の主張

ペインは、生命・自由・幸福の追求といった個人の自然権を訴えました。これらの権利は人間に生まれつき備わった譲渡不能なものであり、いかなる政府の恣意的な支配にも服すべきではないと論じています。

3. 独立の必要性

アメリカ植民地はイギリスからの独立を宣言し、自由で独立した新しい国家を樹立すべきだとペインは主張しました。植民地には自ら統治する権利と能力があり、もはやイギリス政府の支配下にとどまるべきではないとしたのです。

4. 植民地間の団結

独立を勝ち取るためには、各植民地が団結することが不可欠であるとペインは強調しました。互いの違いを乗り越え、共通の敵であるイギリス政府に対して結束するよう呼びかけ、団結こそが独立という目標を達成する唯一の道だと説いたのです。

5. 同意に基づく統治

正当な政府とは、統治される側の同意に基づく政府だけであるとペインは述べています。人民には自らの政府を選ぶ権利があり、どのように統治されるかについて発言権を持つべきだと主張しました。

『コモン・センス』の歴史的意義

『コモン・センス』の根幹にあるのは、個人の自由、自治、そして抑圧的な権威に対抗する抵抗権の重要性です。平易な言葉で幅広い層に訴えかけたこのパンフレットは、アメリカ独立戦争への支持を大きく集める原動力となり、新生国家の政治思想とイデオロギーの形成に計り知れない影響を与えました。