ベンジャミン・モンゴメリー(Benjamin Montgomery、1819年〜1877年)は、アメリカ史において重要な足跡を残した発明家です。彼が発明したのは、浅い水域でも航行できるように設計された蒸気船用スクリュープロペラです。
ベンジャミン・モンゴメリーとはどんな人物?
モンゴメリーは1819年、バージニア州で奴隷として生まれました。その後、ミシシッピ州デイビスベンドのプランテーションで働くことになりますが、卓越した機械技術と読み書きの能力を認められ、単なる労働者にとどまらず、農園の管理や商業業務まで担う存在へと成長していきました。
スクリュープロペラの発明
19世紀半ばの蒸気船は、外輪(パドルホイール)による推進が主流でした。しかし、外輪式の船は喫水が深く、水位の低い川では航行が困難という大きな課題を抱えていました。
モンゴメリーはこの問題に着目し、浅瀬でも効率的に推進力を得られるスクリュープロペラを考案しました。この発明は、水位変動の激しいミシシッピ川などの河川での物資輸送に大きな可能性をもたらすものであり、当時の水上交通の発展に貢献しうる画期的なアイデアでした。
特許申請と立ちはだかった壁
1857年、モンゴメリーは自らの発明について特許を申請します。しかし、当時のアメリカ法の下では奴隷は市民権を持たないため、特許を取得することはできませんでした。発明者の才能ではなく身分によって権利が否定されたこの出来事は、奴隷制度の不条理を象徴する例として知られています。
南北戦争後の活躍と遺産
南北戦争後、自由を手に入れたモンゴメリーは、かつて働いていたデイビスベンドの土地を購入し、アフリカ系アメリカ人による大規模な綿花プランテーションの経営を実現しました。息子のアイザイア・モンゴメリーもまた、後にミシシッピ州に町「マンデン」を建設するなど、一族の歴史はアメリカ黒人史において重要な意義を持っています。
まとめ
ベンジャミン・モンゴメリーの最大の発明は、浅瀬を航行できる蒸気船用スクリュープロペラです。奴隷という過酷な境遇の中で卓越した技術力を発揮し、その挑戦と功績は、今日でもアメリカ発明史の中で語り継がれています。