エジプトの衰退と征服の時代
紀元前12世紀以降、かつて栄華を誇った古代エジプトは、次々と異なる民族の侵入にさらされることになりました。新王国時代の終焉とともに、エジプトは政治的な分裂と混乱の時期へと移行していきます。
紀元前670年には、メソポタミアの強国アッシリアがエジプトを征服しました。この支配は約8年間続きましたが、エジプトはやがてアッシリアの支配を脱し、再び独立を取り戻します。
サイス・ルネサンス(サイス朝の復興)
アッシリアからの解放後、エジプトは経済の回復と文化の輝きに満ちた時期を迎えます。この時期は「サイス・ルネサンス」と呼ばれています。この名称は、エジプトの復興がナイル川デルタ地方の都市サイスの支配者たちによって主導されたことに由来しています。第26王朝として知られるこの時代、エジプトは古王国の伝統を復活させ、芸術や建築においても大きな発展を遂げました。
しかし、この繁栄は長くは続きませんでした。
ペルシャの征服とマケドニアの進出
紀元前525年、エジプトはペルシャ帝国(アケメネス朝)によって征服されました。ペルシャの支配は断続的に続きましたが、その後、歴史の転換点が訪れます。
ほぼ2世紀後、アレクサンドロス大王率いるマケドニア軍が東方遠征を行い、ペルシャ帝国を打ち破りました。こうしてエジプトはギリシャ系のプトレマイオス朝の支配下に入り、アレクサンドリアを中心としたヘレニズム文化が花開きます。
ローマ支配とエジプト文明の終焉
最終的に、名君クレオパトラ7世がファラオの座から退けられると、エジプトはローマ帝国の支配下に置かれることになりました。このローマによる統治は600年間続き、その後はアラブによる征服によって幕を閉じることになります。
こうして数千年にわたって独自の文明を築き上げてきた古代エジプトは、異民族による支配の歴史の中で、その独立した姿を失っていったのです。