アフリカの歴史

アメリカ南部の奴隷は、自らの自由を買い戻すためにどれほどの賃金を稼げばよかったのか?

結論:奴隷は自らの自由を「買い戻す」ことができなかった

アメリカ南部において、奴隷が自分の稼いだ賃金で自由を買い戻すことは、制度的にほぼ不可能でした。なぜなら、奴隷は「労働者」ではなく「財産(所有物)」として法的に扱われていたからです。

奴隷の収入はすべて所有者のもの

奴隷がたとえ追加労働や日雇い仕事で金銭を得られたとしても、その収入は法的にはすべて主人の所有物とみなされました。奴隷自身に「給料」や「貯蓄」の権利は認められておらず、自分の身体さえも主人の資産の一部だったのです。つまり、いくら働いて稼いでも、そのお金で自分自身を買い取るという道は閉ざされていました。

ごくまれに存在した「自費解放」の例

歴史的には、一部の州や時期において、主人の好意や合意による「自費解放(manumission)」で自由を得た奴隷も存在しました。しかし、これはあくまで主人側の許可があって初めて成立する例外であり、奴隷自身の権利として認められたものではありませんでした。さらに、時代が下るにつれて南部各州は解放を制限する法律を強化し、自費解放の道はますます狭められていきました。

まとめ

アメリカ南部の奴隷制度の下では、奴隷は財産として扱われ、その労働による収入はすべて所有者に帰属しました。そのため、奴隷が自分の賃金で自由を買い戻すことは制度上不可能であり、自由を得るための正当な手段は存在しなかったのです。