アフリカの歴史

人は「真っ暗」を見ることができるのか?目の仕組みを解説

結論から言うと、人は真っ暗な環境でも「暗闇」として視覚的な体験をすることができます。ただし、その裏には目の興味深い仕組みが隠れています。

暗い場所で働く「桿体細胞」とは

人間の網膜には、光を感じ取るための受容細胞が2種類あります。明るい場所で色や細かいディテールを見分ける「錐体細胞」と、薄暗い環境で活躍する「桿体細胞(かんたいさいぼう)」です。

ほとんど光のない暗い環境に身を置くと、この桿体細胞が活性化します。桿体細胞はごく微弱な光にも反応する非常に高い感度を持っており、月明かり程度のわずかな光があれば、物の形や輪郭をぼんやりと認識することが可能です。

暗闇の中で色が見えない理由

しかし、桿体細胞には大きな弱点があります。それは、色を識別する機能を持たないという点です。そのため、薄暗い環境ではすべてのものが白黒のモノクロームのように見えます。夜中に部屋の中で服の色が判別しにくいのは、まさにこのためです。

本当に「真っ暗」なら何も見えない?

厳密に言えば、光が一切存在しない完全な暗黒の中では、桿体細胞も働くことができず、人は物理的には「何も見ていない」状態になります。それでも私たちが「真っ黒だ」と感じるのは、脳が「視覚情報が存在しない」という状態を暗闇として解釈しているためです。

つまり、人が真っ暗闇の中で経験するのは、微弱な光を頼りにした白黒の世界であり、完全な暗黒においては脳が生み出す「黒さの知覚」だと言えるでしょう。