アフリカの歴史

黒人に投票権が認められた「正当な理由」とは?米国憲法修正第15条の歴史的背景

黒人から投票権を奪うことに対して、「正当な理由」は一切存在しませんでした。人種を根拠に市民の政治的権利を制限することは、民主主義の根本原則に反する不当な差別であり、歴史的に見ても決して正当化できるものではありません。

米国憲法修正第15条の批准

この不当な状況を是正するため、1870年にアメリカ合衆国憲法修正第15条が批准されました。この修正条項は、人種、肌の色、または過去の奴隷身分を理由として投票権を拒否することを連邦および各州に禁じています。

批准に至った歴史的経緯

南北戦争(1861年〜1865年)の終結後、アメリカは「レコンストラクション(再建期)」と呼ばれる時代を迎えました。連邦政府は元奴隷だった人々の公民権保障に取り組み、修正第13条による奴隷制廃止、修正第14条による平等な法的保護の確立に続いて、修正第15条によって投票権における人種差別の禁止が定められたのです。

批准後も残った課題

しかし、修正第15条の批准後も、南部諸州では識字テストや人頭税(ポール・タックス)といった手段を通じて、黒人の投票を実質的に妨げる慣行が長く続きました。こうした障壁が本格的に撤去されるのは、1965年に投票権法(Voting Rights Act)が成立してからのことです。

つまり、黒人に投票権が認められたのは「特別な理由」があったからではなく、本来すべての人に等しく備わるべき基本的な権利が、ようやく法の形で保障されるに至ったというのが実態なのです。