アフリカの歴史

「ブラッドダイヤモンド」の正しい呼び方は「紛争ダイヤモンド」――シエラレオネの歴史とキンバリー・プロセスとは?

「ブラッドダイヤモンド」と「紛争ダイヤモンド」の違い

まず知っておきたいのは、この問題を指す正確な用語は「紛争ダイヤモンド(conflict diamond)」であり、「ブラッドダイヤモンド(blood diamond)」ではないという点です。「ブラッドダイヤモンド」という言葉が広く知られるようになったのは、2006年に公開された同名の映画がきっかけです。しかし、国連やダイヤモンド業界では、問題の実態をより的確に表す「紛争ダイヤモンド」という呼称が好んで使われています。

なお、よくある誤解として、シエラレオネは東アフリカではなく西アフリカに位置する国である点にも触れておきます。以下では、シエラレオネにおける紛争ダイヤモンドの歴史について詳しく解説します。

シエラレオネにおける紛争ダイヤモンドの実態

  • 1991年から2002年まで続いたシエラレオネ内戦において、紛争ダイヤモンドは深刻な社会問題となりました。
  • 反政府勢力である革命統一戦線(RUF)がダイヤモンド鉱山を掌握し、強制労働や暴力によってダイヤモンドを採掘・搾取しました。
  • 紛争ダイヤモンドの売却収入はRUFの活動資金となり、内戦の長期化に拍車をかけました。

キンバリー・プロセス認証制度(KPCS)とは

紛争ダイヤモンド問題への対応として、2003年に「キンバリー・プロセス認証制度(KPCS)」が設立されました。

  • 加盟国は、輸出されるダイヤモンドが紛争に関与していないことを保証する仕組みを導入することが求められます。
  • 加盟国は原石ダイヤモンドの出荷時にキンバリー・プロセス証明書を発行し、制度の要件を満たしていることを証明します。

現在の状況

シエラレオネをはじめとする一部のアフリカ諸国では、紛争ダイヤモンドが重大な懸念事項でしたが、KPCSや業界の取り組みにより、こうしたダイヤモンドの取引は大幅に減少しました。現在、市場に出回る原石ダイヤモンドの大多数は、キンバリー・プロセスによって「紛争フリー」であると認証されています。