アフリカの歴史

なぜ奴隷所有者は解放された奴隷のアフリカ定住を支持したのか?その3つの理由

奴隷所有者が解放奴隷のアフリカ定住を支持した背景

19世紀のアメリカにおいて、奴隷所有者の一部が解放された奴隷をアフリカへ移住させる「植民地化」政策を支持したのには、いくつかの複雑な動機がありました。この運動は1816年に設立されたアメリカ植民協会(ACS)によって推進され、実際に西アフリカにリベリアという国家が建設されることになりました。

1. 奴隷制度の維持を目的として

多くの奴隷所有者にとって、解放奴隷のアフリカ移住は既存の奴隷制度を守るための手段でした。解放された奴隷が国内に残れば、現役の奴隷たちに自由への希望を抱かせ、競争相手にもなり得ます。また、解放奴隷を国外へ移送することで、奴隷反乱(蜂起)のリスクを低減できると考えられていました。

2. 経済上の利益を期待して

経済的な観点からも、この移住政策は支持されました。解放奴隷を送り出すことで、公的扶助に依存する人口を減らせるという計算があったのです。さらに、アフリカに定住した元奴隷たちは、アメリカの商品やサービスにとって新しい市場になると期待されていました。

3. 解放奴隷自身のためという名目

一部の支持者は、移住が解放奴隷本人たちのためになると主張しました。当時のアメリカでは、自由黒人が深刻な差別や抑圧に直面していたため、彼らが自らの文化と生活様式を築ける国を与えるべきだという考え方です。ただしこの主張は、差別的な社会からの排除を正当化する口実として利用された側面もあることに留意が必要です。

このように、奴隷所有者によるアフリカ定住の支援は、単なる慈善活動ではなく、奴隷制度の防衛・経済的利益・社会的統制といった自己保身的な動機が色濃く反映された政策だったと言えます。