本記事では、試験対策にも役立つ古代インドの宗教運動に関する重要な情報を、わかりやすく解説します。紀元前6世紀頃のインドでは、既存のバラモン教への批判や社会構造の変化を背景に、数多くの新しい宗教や思想が誕生しました。その中でも特に重要なのがジャイナ教と仏教です。
古代インドの宗教運動

ジャイナ教
ジャイナ教の最初のティールタンカラ(祖師)はリシャバデーヴァとされ、彼はこの宗教の創始者とも考えられています。ジャイナ教には全部で24人のティールタンカラが存在し、第24代のマハーヴィーラ(マハーヴィル・スワミ)は、ジャイナ教の真の開祖として広く崇敬されています。
ジャイナ教では、カルマ(業)の束縛から解脱するために「三宝(トリラトナ)」の実践が不可欠とされます。三宝とは、正しい信仰(正信)、正しい知識(正智)、正しい行い(正行)のことです。
さらにマハーヴィーラは「五大誓願(マハーヴラタ)」の遵守を説きました。五つの大誓願とは、不殺生(アヒンサー)、真実語、不偸盗(盗まないこと)、無所有(アパリグラハ)、不淫(ブラフマチャーリヤ)です。このうち最初の4つは、第23代ティールタンカラであるパールシュヴァナータの時代から存在したものであり、最後の「不淫」だけがマハーヴィーラによって新たに加えられたものです。
ジャイナ教は無神論的な宗教である点も特徴です。後にジャイナ教はシュヴェーターンバラ派(白衣派)とディガンバラ派(裸形派)という二つの宗派に分裂しました。シュヴェーターンバラ派の信者は白い衣を身に着けて修行しますが、ディガンバラ派の信者は一切の所有を捨てて裸体で修行します。また、マハーヴィーラは民衆に分かりやすい俗語(プラークリット)を用いて教えを説いたことでも知られています。
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仏教
仏教の開祖はガウタマ・ブッダ(釈迦)です。ブッダはサールナート(リシパッタナ、鹿野苑)で初めて説法を行いました。これは「初転法輪」と呼ばれています。ブッダは世俗の苦しみについて「四諦」を説きました。四諦とは、苦諦(すべては苦である)、集諦(苦しみには原因がある)、滅諦(苦しみは消滅しうる)、道諦(苦しみの消滅へ至る道がある)の四つです。
苦しみから解放されるために、ブッダは「八正道」を実践することを説きました。八正道とは、正見、正思惟、正語、正業、正命、正精進、正念、正定の八つの正しい実践のことです。
また、「縁起(プラティーティヤ・サムトパーダ)」は、ガウタマ・ブッダの教えの核心であるとされています。仏教は無神論的であり、煩雑な儀式や祭祀を重視しない点も大きな特徴です。
仏陀・僧伽(サンガ)・法(ダンマ)は、仏教における「三宝」と呼ばれる三つの宝です。
仏教の根本経典であるスッタピタカ(経蔵)、ヴィナヤピタカ(律蔵)、アビダンマピタカ(論蔵)は、総称して「三蔵(トリピタカ)」と呼ばれます。三蔵の記録に用いられた言語はパーリ語です。
釈尊自身もパーリ語で説法を行ったと伝えられています。その後、クシャーナ朝のカニシカ王の治世において、仏教は上座部仏教(ヒナヤーナ)と大乗仏教(マハーヤーナ)の二つの流派に分かれました。上座部仏教の信者はガウタマ・ブッダの原初の教えを忠実に受け継ぎましたが、大乗仏教の信者たちは仏像崇拝の慣習を始めるなど、新たな発展を遂げていきました。