インダス川流域の気候は、紀元前6000年から紀元前2500年にかけて劇的に変化しました。この約3500年の間に、湿潤な熱帯気候から次第に乾燥した気候へと移行していきました。
紀元前6000年~5000年:温暖で湿潤な時代
- 湿潤な熱帯性の夏モンスーンが平野全体を覆い、季節ごとのモンスーン降雨が非常に豊富でした。
- 平野の大部分には厚い常緑樹林が広がり、特に河川流域周辺では濃密な植生が見られました。
紀元前5000年~4000年:緩やかな乾燥化
- モンスーンが徐々に弱まり始め、河川の水位が低下していきました。
- 支流の流量と水量の減少に伴い、森林面積も縮小しました。
紀元前4000年~3300年:乾燥と季節性の強まり
- 水位の低下が続いた結果、河川はインダス川の本流へと集中するようになりました。
- 乾燥化が進み、降雨パターンが西方へ移動したことで、北西部では砂漠が発達しました。
- 森林は大きな水路の近くに限定され、その他の地域では植生がまばらになりました。
紀元前3300年~2500年:さらなる乾燥化とモンスーンの後退
- モンスーンがさらに西方へ移動し、東側に「モンスーンシャドウ(雨陰)」が形成され、湿気を運ぶ気象システムが弱まりました。
- その結果、降雨量が減少し、森林が劣化して、西部および東部の境界地域では半乾燥状態が徐々に広がっていきました。
気候変化がインダス文明にもたらした影響
気温の上昇と気候の乾燥化が進むにつれ、一部のインダス遺跡は住民によって放棄されることになりました。人々は、より恵まれた乾燥度の低い環境を求めて、西方のスートレジ川沿いの比較的温和な地域へ、あるいは東方(現在のインドやネパール)へと移住したと考えられています。