アステカ美術は、現在のメキシコにあたる地域に暮らしていた先コロンブス期の民族の一つ、アステカ族によって生み出されました。アステカは、スペイン人の到来以前に発展した、先コロンブス期最後の文明です。
彼らの文化はきわめて豊かで、古代メソアメリカの諸民族が持つ多くの要素を吸収・融合させていました。しかし、15世紀にスペイン人によって壊滅的な打撃を受けることになります。
アステカ社会は強固な社会組織のもとで営まれ、支配者と奴隷という明確な身分制度が存在していました。
アステカ建築

アステカ美術を最も象徴するものの一つが建築です。記念碑的な巨大建造物、とりわけ宮殿、神殿、そして神への生贄の儀式が執り行われた場所が、この芸術の大きな特徴となっています。
アステカ建築は、優れた職人の民族として知られる先住民族トルテカの影響を強く受けています。
中でも最も重要な神殿の一つが、アステカの首都テノチティトラン(現在のメキシコシティ)に建てられた「テンプロ・マヨール(大神殿)」です。
アステカ彫刻

アステカの彫刻には、石と木材が主な素材として用いられました。彫刻の主なモチーフは、動物、人間、仮面、そして神々でした。
彫刻はしばしば建築と密接に結びつけられ、大型建造物を飾る装飾としての役割を果たしていました。

アステカで最も有名な彫刻の一つが、暦の一種である「太陽の石(アステカ暦石)」(1324年~1521年)です。1790年に発見されました。
直径360cmの巨大な石でできており、この文明の大都市であったテノチティトランの古代神殿の上に据えられていました。
アステカ絵画

アステカの絵画は、布、動物の皮、植物の樹皮から作られた紙(アマテ)、壁、陶器、石など、多様な媒体に描かれました。
鮮やかで力強い色調が数多く用いられ、神々の姿、日常の情景、戦いの場面などが生き生きと表現されました。
アステカの音楽と舞踏
アステカ文化において、歌と踊りは儀式や祝祭に欠かせない重要な要素でした。使用された楽器の中では、太鼓が最もポピュラーでした。
祝祭や行事の際には、音楽、舞踏、詩の朗読、曲芸などが披露され、人々を楽しませました。
関連テーマ:インカ美術とマヤ美術
アステカと同様に、アメリカ大陸に暮らしていた先コロンブス期の民族たちの芸術についても学んでみましょう。先コロンブス期の民族とは、アメリカ大陸最初の征服者となったジェノヴァ出身の探検家クリストファー・コロンブスの到来以前に、アメリカ大陸に住んでいた人々を指します。
- インカ美術
- マヤ美術
- 先コロンブス期の民族
- アステカ