クリストファー・コロンブスが1492年に新大陸へ到達したとき、彼は「発見した」とされる土地に、すでに何千年もの歴史を持つ人々の社会が栄えていることを目にしました。では、先住民(ネイティブ・アメリカン)たちは、コロンブスが来るよりどれくらい前に北アメリカ大陸へ足を踏み入れていたのでしょうか。
少なくとも1万5千年前には人が存在していた
考古学的な発掘資料、言語学の分析、そして遺伝子(ゲノム)研究の結果を総合すると、人類はおおよそ1万5千年以上前にはすでにアメリカ大陸へ到達していたと考えられています。これは、コロンブスの航海から遡ること約500世代分に相当する、途方もない時間の隔たりです。
ベーリング地峡を渡った最初の人類
最も有力な説の一つは、「ベーリング地峡(ベーリンジア)経由説」です。最終氷期に海面が下がり、現在のベーリング海の海底が陸地として現れたため、シベリアからアラスカへと徒歩で移動することが可能でした。東アジア出身の狩猟採集民たちがこの陸橋を渡り、やがて氷床の間の回廊を通って北米大陸の内陸部へと広がっていったとされます。
さらに古い痕跡を示す最新の発見
近年の研究は、この時期をさらに押し上げています。たとえば、アメリカ・ニューメキシコ州のホワイトサンズ国立公園で発見された足跡の化石は、約2万3千年前のものだと推定されており、従来の想定よりもはるかに早く人類が北米に居住していた可能性を示唆しています。また、テキサス州のバター milk クリーク遺跡などでも、1万5千年前後の石器や生活の痕跡が見つかっています。
多様な文化が花開いた長い歴史
こうして定着した人々の子孫は、数千年にわたって大陸の各地で独自の文化を発展させました。約1万3千年前のクローヴィス文化に代表される大型動物の狩猟民から、メソアメリカのマヤやアステカのような高度な文明、北米平原のバイソン狩猟民族、太平洋岸西北部の豊かな漁撈社会まで、その多様性は驚くべきものがあります。ヨーロッパ人の到来以前、南北アメリカ大陸には数千万人規模の人口があったと推定する研究者もいます。
まとめ
つまり、コロンブスが1492年に到達したとき、先住民たちは少なくとも1万5千年、場合によってはそれ以上の期間、北アメリカ大陸で暮らし続けてきた「大陸の真の主」だったのです。「新大陸の発見」という言葉は、ヨーロッパ側から見た呼び名にすぎず、先住民にとっては何世代にもわたる故郷の歴史がそこにあったのです。