エジプト・ルクソールのナイル川西岸に位置する王家の谷。古代エジプト新王国時代のファラオたちが眠るこの有名な遺跡地について、「谷全体の高さは一体何メートルなのか」という疑問を持つ方は多いでしょう。
王家の谷に「一つの標高」は存在しない
結論から言うと、王家の谷全体に当てはまる単一の高さの数値は存在しません。その理由は、この地域特有の起伏に富んだ地形にあります。乾燥した石灰岩の丘や断崖が入り組んで連なる渓谷であるため、地点ごとに標高が大きく異なるのです。
谷底の標高の目安
とはいえ、おおよその目安はあります。王家の谷の谷底部分は、海抜およそ100〜150メートル程度とされています。ただしこれはあくまで平均的な値であり、谷の入口付近から奥地へかけて、また支谷ごとに数値は変動します。
見下ろすアル=クルン山は標高約450メートル
谷を見下ろすようにそびえるのが、ピラミッド型をした山アル=クルン(「角」の意)です。その標高は約450メートルに達します。古代エジプト人にとってこの山は自然のピラミッドとして神聖視され、王墓をその守護のもとに造営したと考えられています。
起伏に富んだ地形が生んだ墓の構造
こうした高低差のある地形は、王家の谷の墓造りにも影響を与えました。王墓は地表から地下深くへ階段や通路を掘り進む形で造られており、中には地下数十メートルに及ぶものもあります。高低差のある堅固な石灰岩層は、墓室を守る天然の防壁となったのです。
まとめ
王家の谷は、谷底が海抜約100〜150メートル、背景のアル=クルン山が約450メートルと、場所によって標高が大きく異なる地形をしています。「谷の高さ」を一つの数字で語ることはできませんが、だからこそファラオの永遠の眠りを守るのに理想的な、秘密を秘めた渓谷となったのです。