結論から言えば、はい、建国の父たち(Founding Fathers)の中にはフリーメイソンの会員だった人物が確かに存在します。ただし、インターネット上でよく見られるリストには、実際には会員だった記録がない人物も含まれているため、注意が必要です。
フリーメイソンだったことが確認されている建国の父たち
当時のロッジ(支部)の記録や会員名簿など、一次資料によって入会が裏付けられている主な人物は以下の通りです。
ジョージ・ワシントン(George Washington)
初代アメリカ合衆国大統領。1752年にバージニア州フレデリックスバーグのロッジで入会し、生涯を通じてメイソンとしての活動を続けました。1793年の連邦議会議事堂定礎式では、メイソンの儀礼装束で石を据える様子が描かれています。
ベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin)
政治家・科学者・外交官として活躍した万能の人。1731年にフィラデルフィアのロッジに入会し、後にペンシルベニア州のグランドマスター(州最高位)にも就任しました。
ポール・リビア(Paul Revere)
「夜明けの騎行」で知られる愛国者兼銀細工師。ボストンのセント・アンドリュース・ロッジの会員であり、後にマサチューセッツ州のグランドマスターを務めました。
ジョン・ハンコック(John Hancock)
独立宣言に最初に署名したことで有名なマサチューセッツの富豪。ポール・リビアと同じくボストンのロッジに所属していました。
ジェームズ・モンロー(James Monroe)
第5代大統領。1775年、バージニア州ウィリアムズバーグのロッジで若くして入会しています。
「メイソンだった」と誤解されやすい人物たち
一方で、次のような著名な建国の父たちは、しばしばフリーメイソンのリストに挙げられますが、入会を示す確かな記録は確認されていません。
- トーマス・ジェファーソン(独立宣言の起草者)
- ジョン・アダムズ(第2代大統領)
- ジェームズ・マディソン(第4代大統領・憲法の父)
- アレキサンダー・ハミルトン(初代財務長官)
- パトリック・ヘンリー(「自由か死か」の演説家)
彼らの名前がリストに加わるのは、当時の知識人層にメイソンが多かったことや、後世の陰謀論的な語りの中で混同されたことが一因と考えられます。
まとめ
18世紀のアメリカにおいてフリーメイソンは啓蒙思想を共有する有力者の社交場であり、ワシントンやフランクリンなど建国の中核を担った人物が確かに参加していました。しかし、「建国の父たち全員がメイソンだった」「国家がメイソンによって設計された」といった誇張された話は史実とは言えません。一次資料に基づいて確認できる範囲で事実を見極めることが大切です。