アイルランドのプロテスタント(プロテスタント系アイルランド人、北アイルランドのプロテスタントとも呼ばれます)は、アイルランド島に暮らす人々の中で、カトリック系アイルランド人と並ぶ二大民族・国民的集団の一つです。
アイルランドにおける二つの主要な集団
アイルランド島には、宗教的・民族的な背景によって大きく分けられる二つのコミュニティが存在します。一方はローマ・カトリックを信仰する「カトリック系アイルランド人」であり、もう一方が本記事で取り上げる「プロテスタント系アイルランド人」です。
多様なアイデンティティ
アイルランドのプロテスタントは、ひとまとめに語れる単一の集団ではありません。その帰属意識は実に多様で、以下のようなアイデンティティを持つ人々が含まれます。
- ユニオニスト(連合主義者):北アイルランドがイギリスに留まることを支持する人々
- ロイヤリスト(王党派):ユニオニストの中でも特に強硬にイギリスとの統合を主張する人々
- ブリティッシュ(イギリス人):自らをイギリス国民であると認識する人々
- ノーザン・アイリッシュ(北アイルランド人):北アイルランドという地域への帰属意識を重視する人々
- アイリッシュ(アイルランド人):プロテスタントでありながら、自らをアイルランド人と考える人々
歴史的背景
このような多様性は、17世紀以降のイングランドおよびスコットランドからの入植(プランテーション)にまで遡ります。プロテスタント系住民は主にアルスター地方(現在の北アイルランド)に定着し、長い歴史の中で独自の文化的・政治的立場を形成してきました。1921年のアイルランド分割以降も、彼らのアイデンティティは政治や社会において重要な役割を果たし続けています。
まとめ
アイルランドのプロテスタントとは、単なる宗教的信条にとどまらず、政治的立場や国民的帰属をも含む複雑で多層的なアイデンティティを持つ集団です。ユニオニストからアイルランド民族主義者まで幅広い人々が含まれるため、彼らを理解することは、アイルランド島の歴史と現代社会を知る上で欠かせない視点と言えるでしょう。