北米の歴史

1861年~1865年に「アメリカ・メキシコ南北戦争」は起きたのか?同時期の実際の歴史を解説

結論から言うと、「アメリカ・メキシコ南北戦争」と呼ばれる戦争は、1861年から1865年の間に実際には存在しません。これは歴史用語の混同による誤解であり、この時期にはまったく別の重要な出来事がアメリカとメキシコでそれぞれ進行していました。

なぜ「アメリカ・メキシコ南北戦争」は存在しないのか

1861年から1865年にかけてアメリカ合衆国で起きたのは、アメリカ南北戦争です。これは合衆国内部の対立、すなわち北部(連邦側)と南部(南部連合側)の間で戦われた内戦であり、メキシコは交戦国ではありませんでした。

一方、アメリカとメキシコの間で本格的な戦争が起きたのは、それより前の1846年から1848年の米墨戦争です。この戦争でメキシコは、現在のカリフォルニア、テキサス、アリゾナなどを含む広大な領土を失いました。「南北戦争」と「米墨戦争」が混ざり合ったような名称は、歴史的事実としては存在しないのです。

1861年~1865年に実際に起きていたこと

アメリカ:南北戦争(1861年~1865年)

奴隷制や州の権限をめぐる対立を背景に、南部諸州が合衆国から脱退して「アメリカ南部連合」を結成したことが発端となり、内戦が勃発しました。4年間に及ぶ激しい戦いの末に北部が勝利し、その結果は奴隷制の廃止へとつながりました。エイブラハム・リンカーン大統領による「奴隷解放宣言」(1863年)も、この時期の象徴的な出来事です。

メキシコ:フランス干渉戦争(1861年~1867年)

同じ頃、メキシコではフランス第二帝政による軍事介入が進行していました。フランスはオーストリア大公マクシミリアンを皇帝に擁立して「メキシコ第二帝政」を樹立しましたが、ベニート・フアレス率いる共和派の粘り強い抵抗により、1867年に帝政は崩壊しました。この期間中、メキシコとアメリカが直接戦火を交えることはありませんでした。

まとめ

「1861年~1865年のアメリカ・メキシコ南北戦争」という戦争は実在せず、この表現はアメリカ南北戦争、米墨戦争(1846年~1848年)、あるいはメキシコでのフランス干渉戦争が混同されたものと考えられます。この時期、アメリカでは南北戦争が、メキシコではフランス干渉戦争がそれぞれ進行しており、両国が互いに戦っていたわけではない点に注意が必要です。