アメリカ南北戦争(1861年〜1865年)では、数々の個性豊かな将軍たちが歴史に名を刻みました。彼らには、戦場での武勇伝や容姿、人柄にちなんだ「あだ名」が付けられ、兵士や国民に親しまれていました。ここでは、北軍・南軍の代表的な将軍たちとその愛称の由来をご紹介します。
北軍(合衆国軍)の将軍たち
ユリシーズ・S・グラント ― 「Unconditional Surrender(無条件降伏)」グラント
北軍総司令官として南軍を降伏へ導いたグラント。1862年のドネルソン砦の戦いで「無条件の即時降伏以外は受け入れない」と宣言したことがこのあだ名の由来です。イニシャルの「U.S.(United States)」とも掛け合わせられ、国民から圧倒的な支持を受けました。
ウィリアム・T・シャーマン ― 「Cump(カンプ)」シャーマン
「海への進軍」で知られるシャーマン。あだ名はミドルネーム「テカムセ(Tecumseh)」から幼少期に付けられたもので、家族や友人は生涯この愛称で彼を呼び続けました。
ジョージ・B・マクレラン ― 「Little Mac(リトル・マック)」マクレラン
小柄な体格と若さから兵士たちに慕われた愛称です。ポトマック軍の再編に尽力した優れた組織者でもありました。
アンブローズ・バーンサイド ― バーンサイド
特徴的な頬ひげで有名な将軍で、実は英語の「サイドバーンズ(sideburns=もみあげ)」という単語の語源となった人物です。当時、そのひげは「バーンサイド」と呼ばれ、後に語順が入れ替わって今日の英単語になりました。
ジョン・ポープ ― 「Pop(ポップ)」ポープ
第二次ブルランの戦いなどを指揮した将軍で、シンプルな愛称で親しまれました。
南軍(アメリカ連合国軍)の将軍たち
ストーンウォール・ジャクソン ― 「Stonewall(石壁)」ジャクソン
南北戦争史上最も有名なあだ名の一つ。1861年の第一次ブルランの戦いで、バーナード・ビー将軍が「あそこに石壁のように立つジャクソンがいる!」と叫んだことに由来します。
ロバート・E・リー ― 「Marse Robert(マース・ロバート)」リー
南軍総司令官を務めたリー。「Marse」は古風な方言で「ご主人様(Master)」を意味し、部下の兵士たちからの深い敬愛と信頼を表す愛称でした。
ジェームズ・ロングストリート ― 「Pete(ピート)/ Old Pete」ロングストリート
リー将軍の右腕として信頼された将軍。「オールド・ピート」という愛称で呼ばれ、堅実な指揮ぶりで知られました。
ジョセフ・E・ジョンストン ― 「Joe(ジョー)」ジョンストン
ファーストネームで気軽に呼ばれることの多かった将軍です。
P.G.T.ボーリガード ― 「P.G.T.」「Little Napoleon(小さなナポレオン)」ボーリガード
サムター要塞砲撃によって開戦の火ぶたを切った将軍。ナポレオンに似た風貌だったことから「リトル・ナポレオン」とも呼ばれました。
まとめ
南北戦争の将軍たちのあだ名には、戦場での武勇、印象的な容姿、そして人柄まで、それぞれに興味深いエピソードが込められています。こうした愛称の由来を知ることで、歴史上の人物たちがより身近に、そして生き生きと感じられることでしょう。