北米の歴史

「好感情の時代」においても奴隷制は重大な問題だったのか?

「好感情の時代(Era of Good Feeling)」と呼ばれる1815年から1825年頃の期間、すなわち米英戦争(1812年戦争)終結後のアメリカにおいて、奴隷制は実は重大な政治問題でした。

この時代、ジェームズ・モンロー大統領の下で一党支配が確立され、表面的には政治的対立が少なく、国民の団結感が高まっているように見えました。しかし、その一方で、奴隷制をめぐる北部と南部の緊張は着実に高まりつつあったのです。

ミズーリ妥協(1820年)とは

奴隷制問題が引き起こした政治的争いの代表例が、1820年の「ミズーリ妥協」です。これは、奴隷州と自由州の数の均衡を保とうとした取り組みであり、ミズーリを奴隷州として連邦に加盟させる一方で、メインを自由州として加盟させました。さらに、北緯36度30分より北では新たな奴隷制の拡大を禁止する内容も含まれていました。

この妥協によって一時的な安定はもたらされましたが、奴隷制という問題そのものが解決されたわけではありません。むしろ、南北間の対立の火種は残され、後に南北戦争へとつながる深刻な亀裂が、この「平和な時代」の水面下ですでに広がっていたのです。