北米の歴史

アメリカの入植者が「国民」になったのはいつから?建国前後の市民権の歴史を解説

入植者と「市民権」の関係

現在のアメリカ合衆国が誕生する以前、北米大陸に暮らしていた人々は「アメリカ国民」ではありませんでした。では、彼らが正式に「国民(市民)」として認められたのは、いつの時点なのでしょうか。

結論から言えば、アメリカ独立戦争の終結と、1789年の合衆国憲法批准以降に、入植者たちは初めて「アメリカ合衆国の市民」となったのです。

それまでの人々は「イギリスの臣民」だった

独立以前の13植民地において、人々の法的な身分はあくまでイギリス王の臣民(British subjects)でした。当時の法体系や統治の考え方のもとでは、植民地の住民も本国イギリスの国王に忠誠を誓う存在であり、「国民」という近代的な概念とは無縁のものでした。

このため、独立戦争以前の入植者には、現代のような国籍や市民権といった概念は存在しなかったと言えます。

独立と憲法制定によって「国民」が誕生

1776年の独立宣言を経て、長い独立戦争を制したアメリカは、新しい国家の枠組みを模索してきました。そして1789年、合衆国憲法が批准され連邦政府が発足すると、そこにはじめて「アメリカ合衆国の市民」という法的な身分が確立されたのです。

つまり、入植者の子孫たちが「イギリスの臣民」から「アメリカ国民」へと転換するのは、政治的な独立だけでなく、国家の根幹を定める憲法という土台が整ってこそ実現した、ということになります。

まとめ

  • 独立以前の入植者は、イギリス王の臣民であった。
  • 独立戦争の勝利後、1789年の合衆国憲法批准により、初めて「アメリカ国民」という身分が成立した。

アメリカにおける「市民権」の歴史は、国家そのものの誕生と密接に結びついているのです。