北米の歴史

1943年の米国5セント硬貨(ニッケル)の特徴|戦時ニッケルのデザインと銀含有を解説

1943年ニッケルとは?

1943年に鋳造されたアメリカ合衆国の5セント硬貨(ニッケル)は、第二次世界大戦の影響で生まれた特別な「戦時ニッケル(Wartime Nickel)」です。兵器生産にニッケルが必要となったため、1942年10月以降、従来の銅・ニッケル合金に代えて銅56%・銀35%・マンガン9%の合金が使用されました。このため、1943年製の5セント硬貨には銀が含まれており、現在でも収集家の間で高い人気を誇ります。

以下では、この硬貨の表(オバース)と裏(リバース)それぞれのデザイン特徴を詳しく見ていきましょう。

表面(オバース)のデザイン

  • トーマス・ジェファーソンの胸像:第3代アメリカ大統領トーマス・ジェファーソンの左向き胸像が中央に描かれ、その下には小さな文字で「LIBERTY(自由)」と刻まれています。
  • 発行年:「1943」の年号は胸像の下部、肩口と外縁の間に配置されています。
  • 国家のモットー:「IN GOD WE TRUST(我ら神を信ず)」は硬貨の右上、ジェファーソンの顔の前に沿って刻まれています。

裏面(リバース)のデザイン

  • モンティチェロ:バージニア州シャーロッツビルにあるジェファーソンの自宅「モンティチェロ」の姿が中央に描かれています。
  • 国名と額面:「UNITED STATES OF AMERICA(アメリカ合衆国)」と「FIVE CENTS(5セント)」の文字が、硬貨の上部に弧を描くように配置されています。
  • 標語:「E PLURIBUS UNUM(多数から一つへ)」は建物の上方、額面表示の近くに小さな文字で刻まれています。
  • ミントマーク(造幣局記号):裏面、モンティチェロのドームの真上に大きく表示されています。「P(フィラデルフィア)」「D(デンバー)」「S(サンフランシスコ)」の3種類があります。

ミントマークの位置に込められた意味

通常、当時の5セント硬貨のミントマークはモンティチェロの右側に小さく刻まれていました。しかし戦時ニッケルでは、銀を含む特別な硬貨であることを容易に識別できるよう、ミントマークが裏面の目立つ位置(ドームの上)に移され、文字も大きくなりました。また、「P」のミントマークが硬貨に初めて使用されたのも、この戦時ニッケルが最初です。

まとめ

1943年の米国5セント硬貨は、戦時下ならではの素材変更と、識別を目的としたミントマークの移動という二つの大きな特徴を持つ歴史的な硬貨です。銀35%を含むため金属としての価値もあり、状態の良いものはコレクター市場で高く評価されています。