アメリカ大陸で最後に奴隷制度を廃止した国々
アメリカ大陸において、スペイン領として奴隷制度が最後まで残ったのが、カリブ海に位置するキューバとプエルトリコです。両地域とも19世紀後半まで、砂糖産業を支える労働力としてアフリカ出身の奴隷に大きく依存していました。
プエルトリコ:1873年3月22日に廃止
プエルトリコでは、1873年3月22日にスペイン本国の議会(コルテス)によって奴隷制度廃止法が可決され、奴隷制度が廃止されました。このとき解放された奴隷は約3万人とされています。プエルトリコはスペイン領カリブの中では比較的早い段階で廃止に踏み切りました。
キューバ:1886年10月13日に完全廃止
一方、キューバでは1886年10月13日に奴隷制度が完全に廃止されました。それに先立つ1880年には、段階的な解放を目指す「パトロナート制」と呼ばれる移行措置が導入されており、数年をかけて廃止への道が整えられました。キューバはスペインの植民地の中で最も遅くまで奴隷制度が残った地域です。
なぜカリブ海では奴隷制度が長く続いたのか
その背景には、砂糖プランテーション経済の存在があります。19世紀のキューバは世界有数の砂糖生産地へと発展し、莫大な利益を生み出すこの産業が安価な奴隷労働に依存していたため、経済界や植民地当局は奴隷制度の維持を強く求めました。このことが、他地域に比べて廃止が大幅に遅れる一因となりました。
補足:アメリカ大陸全体で見ると
なお、アメリカ大陸全体で見ると、南米のブラジルが1888年5月13日の「黄金法(レイ・アウレア)」によって奴隷制度を廃止しており、これが新大陸で最後の廃止となりました。キューバとプエルトリコは、スペイン領土としては最後に奴隷制度を廃止した地域ということになります。