歴史上最初の入植は約9500年前、アナトリアで始まった
人類が農耕を始め、一か所に留まって暮らすようになったのはいつなのでしょうか。現在のところ、歴史上最も古い定住集落の一つとされているのが、紀元前7500年頃に栄えたチャタルヒュユク(Çatalhöyük)です。
チャタルヒュユクは、現在のトルコ共和国の中央部、コンヤ県の平原地帯に位置していました。新石器時代に築かれたこの巨大な集落は、「人類最初の都市」とも呼ばれ、その規模と独自性から世界中の考古学者の注目を集めています。
チャタルヒュユクとはどんな場所だったのか
最盛期には人口5,000人から10,000人ほどが暮らしていたと推定されており、当時としては驚異的な規模を誇る集落でした。最大の特徴は、通りや広場が存在しない点です。家々は壁を共有して密集して建てられ、住民は屋根にある開口部から梯子を使って出入りしていました。
また、遺跡からは壁面に描かれた鮮やかなフレスコ画や、牛の頭部を象ったレリーフなどが多数出土しており、当時の人々が高度な芸術表現や宗教観を持っていたことがうかがえます。
なぜ人類は定住を始めたのか
氷河期が終わり気候が安定したことにより、野生の穀物が豊かに実るようになったアナトリア地方では、狩猟採集民が次第に農耕と牧畜を取り入れ、移動をやめて定住するようになったと考えられています。食料を貯蔵できるようになったことが、大きな共同体の形成を可能にしたのです。
世界遺産として現代に伝わる遺産
チャタルヒュユクは2012年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。発掘調査は今も続けられており、人類が「村」から「町」へと歩み出した原点を知る上で、極めて重要な遺跡となっています。