北米の歴史

2009年リンカーン1セント硬貨の裏面「ONE CENT」の左右にあるマークの意味とは?

2009年に発行されたリンカーン1セント硬貨の裏面を見ると、「ONE CENT」の文字の左右に小さなアルファベットが刻印されていることに気づきます。実はこれらのマークには、その硬貨を生み出したアーティストたちの名前が込められています。

左右のイニシャルが示すもの

「ONE CENT」の左側には、デザイン(原画)を担当したアーティストのイニシャル、右側にはアメリカ造幣局の彫刻技師(Sculptor-Engraver)のイニシャルが刻まれています。

2009年のリンカーン1セントは、エイブラハム・リンカーン生誕200周年を記念して発行された特別なシリーズで、リンカーンの人生の4つの段階を描いた4種類の裏面デザインが存在します。それぞれのデザインごとに、担当者の異なるイニシャルが刻印されているのです。

4つのデザインと刻印されているイニシャル

  • 誕生と幼少期(ケンタッキー州の丸太小屋):デザイン RM(リチャード・マスターズ)、彫刻 JL(ジム・リカレッツ)
  • 形成期(インディアナ州):デザイン・彫刻ともに CV(チャールズ・ヴィッカーズ)
  • 職業人としての時代(イリノイ州):デザイン JI(ジョエル・イスコウィッツ)、彫刻 DE(ドン・エヴァーハート)
  • 大統領時代(ワシントンD.C.):デザイン SG(スーザン・ギャンブル)、彫刻 JM(ジョセフ・メンナ)

ブレナーの「VDB」との混同に注意

よくある誤解として、これらのマークを初代デザイナーであるビクター・デイヴィッド・ブレナー(Victor David Brenner)のイニシャル「VDB」と混同するケースがあります。しかし、ブレナーの「VDB」は1918年以降、表面(オモテ面)のリンカーンの肩口付近に刻まれているものであり、裏面の「ONE CENT」の左右にある文字とは別物です。

このように、硬貨に刻まれた小さなイニシャルには、作品を手がけた芸術家たちの署名としての役割があります。収集や鑑賞の際には、ぜひこうした細部にも注目してみてください。