アメリカの歴史において、奴隷制から解放された人々(自由黒人)は、北部と南部の両方に住んでいました。しかし、その大多数は北部に居住していました。
北部に自由黒人が多かった理由
解放された奴隷の多くが北部を選んだ背景には、いくつかの重要な要因があります。
1. 雇用機会の多さ
北部では工業や商業が発展しており、自由黒人にとって働き口が見つけやすい環境がありました。農園労働に依存する南部と比べ、職を得るチャンスが格段に多かったのです。
2. 比較的寛容な社会環境
北部は南部に比べて自由黒人に対する敵意が少なく、より暮らしやすい地域でした。北部諸州の多くは建国初期から段階的に奴隷制を廃止しており、自由な身分で生活するための法的基盤も整っていました。
3. 自由黒人コミュニティの存在
北部にはすでに大規模な自由黒人の人口が形成されており、ペンシルベニア州、ニューヨーク州、オハイオ州などには活発なコミュニティが存在しました。同じ境遇の人々と支え合える環境があることは、新たに移り住む者にとって大きな安心材料となりました。
まとめ
このように、雇用の機会、寛容な社会風土、そして既存のコミュニティという三つの要素により、解放された奴隷の大多数は北部に定着していきました。ただし、南部にも自由黒人は一定数存在しており、彼らは厳しい差別や法的制約の中で生きていかなければなりませんでした。