北米の歴史

アメリカで奴隷制度が正式に始まったのは何年?歴史的背景を解説

実は、アメリカにおける奴隷制度には「公式な始まりの年」が存在しません。これは、奴隷制が特定の法律や宣言によって一斉に導入されたものではなく、植民地時代を通じて徐々に定着していったためです。

植民地時代から始まった奴隷制度

アメリカ大陸における奴隷制の歴史は、17世紀初頭(1600年代前半)にまで遡ります。1619年、イギリス植民地ヴァージニアに最初のアフリカ人奴隷が連れてこられたとされ、この年が事実上の起点としてよく引用されます。当初は期限付きの奉仕労働者として扱われることもありましたが、次第に終身の世襲奴隷という制度へと固定化していきました。

独立後も続いた奴隷制

1776年のアメリカ独立後も、奴隷制度はそのまま継続されました。建国の父たちの中にも奴隷を所有する者がおり、「すべての人は平等に創られている」という独立宣言の理念との矛盾が、後の南北対立の火種となりました。

北部での廃止と南部での存続

18世紀末から19世紀初頭にかけて、北部諸州では相次いで奴隷制の段階的廃止が進められました。一方、南部諸州では綿花プランテーションの経済基盤を支える労働力として奴隷制が深く根付いており、廃止には至りませんでした。

1865年、憲法修正第13条による正式廃止

南北戦争(1861年〜1865年)の結果を受けて、1865年にアメリカ合衆国憲法修正第13条が批准されました。これにより、奴隷制度は合衆国全土において正式かつ法的に廃止されることになりました。つまり、奴隷制に「公式な始まり」はないものの、その「公式な終わり」は1865年であると言えます。