ドル紙幣の起源をたどると、1776年に導入された「大陸ドル(コンチネンタル・カレンシー)」に行き着きます。しかし、それ以前にも、アメリカ植民地ではすでにさまざまな種類の紙幣が流通していました。
植民地時代の紙幣
17世紀末から18世紀にかけて、北米のイギリス植民地では硬貨が慢性的に不足しており、各植民地は独自の紙幣を発行していました。例えば、マサチューセッツ湾植民地は1690年に北米で初めて公式な紙幣を発行したとされています。これらの紙幣は戦費の調達や交易の決済などに使われましたが、発行主体が異なるため価値や信用度もまちまちでした。
大陸ドルの登場
1776年、アメリカ独立戦争の軍資金を賄うため、大陸会議によって「大陸ドル」と呼ばれる紙幣が発行されました。これはアメリカ合衆国として初めての統一的な通貨発行の試みであり、歴史的に大きな意味を持っています。
しかし、過剰な発行と裏付けとなる金銀の不足により、大陸ドルの価値は急激に下落しました。この経験から「大陸貨幣ほどの価値もない(Not worth a Continental)」という言葉が生まれたと言われています。
現代のドル紙幣へ
その後、1789年の憲法制定を経て連邦政府による通貨発行権が確立され、1861年の南北戦争時に発行された「グリーンバック」を経て、現在私たちが知るドル紙幣の体系が整っていきました。つまり、ドル紙幣の歴史は1776年の大陸ドルから始まり、約250年の時を経て今日の姿になったのです。