1774年のケベック法とカナダの二言語主義
1774年に制定されたケベック法(Quebec Act)は、カナダが公式な二言語国家として成立する基盤には直接寄与しませんでした。
ケベック法自体は、二言語主義(バイリンガリズム)について一切言及していませんでした。この法律は、それ以前の1763年の英王宣言によるイギリス式統治体制を事実上撤回し、代わりに新しい方向性を打ち出すものでした。
ケベック法が定めたもの
ケベック法は、ケベック植民地において次の重要な措置を講じました。
- カトリック教徒に対する宗教の自由を認め、カトリック教会を保護
- フランス系民法(旧フランス民法)を民事法制として復活
- フランス語話者の住民が司法手続きにおいて不利にならないよう配慮
しかしながら、これらの規定はあくまで宗教や法制度に関するものであり、フランス語を公用語として正式に認めたものではありませんでした。
カナダが公式二言語国家になったのは1969年
カナダが英語とフランス語を対等な公用語とする「公式二言語国家」として確立されたのは、実に1969年に制定された公用語法(Official Languages Act)によってでした。これはケベック法から約200年後の出来事です。
まとめると、ケベック法はカナダにおけるフランス語圏の文化的・法的伝統を守る重要な一歩ではありましたが、国を公式に二言語化した法律ではなく、今日のカナダの二言語主義の直接的な基礎とは言えないのです。