イギリスの国旗として知られるユニオンジャック(正式名称はユニオンフラッグ)の起源には、多くの人々が疑問を持つポイントがあります。そのひとつが「聖パトリックの旗はいつ組み込まれたのか?」という質問です。本記事では、ユニオンジャックの成り立ちと、聖パトリック十字をめぐる歴史的背景をわかりやすく解説します。
ユニオンジャックの基本的な構成
ユニオンジャックは、複数の国旗を重ね合わせた合成旗です。その基本となるのは、次の2つの旗です。
- イングランドの聖ジョージ十字:白地に赤い正十字
- スコットランドの聖アンドリュー十字:青地に白い斜め十字(サルタイアー)
1606年、イングランドとスコットランドが同君連合となった際に両者の旗が重ねられ、これがユニオンジャックの原型となりました。
聖パトリック十字が加わったのは1801年
1801年、グレートブリテン王国とアイルランド王国が合同し、グレートブリテン及びアイルランド連合王国が成立しました。この英愛合同に伴い、アイルランドを象徴する聖パトリック十字(白地に赤い斜め十字)がデザインに新たに組み込まれ、現在のユニオンジャックの形が完成しました。
「聖パトリックの旗は存在しない」という見方
一方で、「そもそも聖パトリック自身の旗など存在しない」という見方もあります。これは、当時のアイルランドにおいて聖パトリック十字が広く認められた公式の国旗ではなかったことが背景にあります。
実際、アイルランドで伝統的に使われてきたのは緑色の旗であり、聖パトリック十字はイングランド側が後から考案したシンボルだと指摘されることもあります。こうした理由から、「ユニオンジャックの中の赤い斜め十字は、真の意味でアイルランドを代表しているわけではない」という批判や議論が今も続いています。
まとめ
ユニオンジャックは、イングランドとスコットランドの国旗を基礎とし、1801年の英愛合同の際に聖パトリック十字が加わって現在の姿になりました。ただし、聖パトリック十字の正当性については歴史的な議論があり、「聖パトリックの固有の旗は実在しなかった」とする見方も根強く残っています。国旗一つをとっても、そこにはイギリスとアイルランドの複雑な歴史が刻まれているのです。