ラクロス、あるいはそれに非常に近い形式の競技は、北米の広範な地域にわたるアメリカ先住民(ネイティブ・アメリカン)のグループによって古くから行われてきました。特にその中心となったのは、東部林地帯(Eastern Woodlands)、グレートプレーンズ(大平原)、そして太平洋岸北西部(Pacific Northwest)という3つの地域です。
東部林地帯――ラクロス発祥の心臓部
現在のカナダ南東部からアメリカ東部にかけて広がる東部林地帯は、ラクロスの歴史において最も重要な地域とされています。イロコイ連邦(ホーデノショーニー)をはじめとする諸民族は、「バガタウェイ(Baggataway)」とも呼ばれるこの競技を宗教的儀式や部族間の調停、戦士の鍛錬として実践していました。
グレートプレーンズ――大平原に響く競技
中部の大平原地帯では、スー族やチョクトー族などのグループが、ラクロスに類似した「スティックボール」と呼ばれる競技を楽しんでいました。広大な草原をフィールドに、時には数百人規模で試合が行われることもあり、単なる遊びにとどまらない重要な文化的行事でした。
太平洋岸北西部――独自のスタイル
太平洋岸北西部の先住民たちもまた、独自の道具やルールを用いたラクロス様の競技を伝承していました。地域ごとの自然環境や文化に応じて、スティックの形状や試合の形式にはさまざまなバリエーションが見られます。
現代ラクロスへのつながり
これらの先住民の伝統的競技は、17世紀にフランス人宣教師たちが目撃し「ラ・クロス(la crosse)」と名付けたことが、今日のラクロスの直接の起源とされています。つまり、現代のラクロスは、東部林地帯・大平原・太平洋岸北西部に根ざした先住民の文化遺産を受け継いだスポーツなのです。