バージニア計画(Virginia Plan)は、1787年に開催された憲法制定会議において、ジェームズ・マディソンによって起草された提案です。
この計画は、会議で最初に提示された包括的な提案であり、その多くの要素が最終的な合衆国憲法に取り入れられました。
バージニア計画の主な特徴
1. 立法府(立法部門)
下院(代議員院)と上院からなる二院制の議会の設置を提唱しました。下院議員は国民による直接選挙で選ばれ、一方の上院議員は、州議会が指名した候補者リストの中から下院が選出する仕組みとされていました。
2. 行政府
「大統領(President)」と呼ばれる単一の行政長官を置くことを提案しました。大統領の任期は7年間で再選は認められず、行政官僚の任命・罷免権に加え、法律に対する拒否権(ヴェト権)を持つとされました。
3. 司法府
最高裁判所および下級裁判所からなる全国規模の司法制度の創設を求めました。裁判官は大統領によって任命され、終身制とすることが提案されました。
4. 議会における代表
人口に比例した代表制度を導入し、人口の多い州ほど議会により多くの議員を送り込める仕組みを提案しました。この案は人口の少ない州からの強い反発を招き、後の「大妥協(コネチカット妥協)」へとつながる重要な論点となりました。
5. 憲法改正の手続き
憲法改正のためのメカニズムも盛り込まれており、両院それぞれの3分の2以上の承認と、少なくとも4分の3の州における批准会議の承認を要件としていました。
バージニア計画の歴史的意義
バージニア計画は、憲法制定会議における議論と交渉の出発点となり、合衆国憲法の最終的な形に多大な影響を与えました。特に、三権分立の枠組みや強力な中央政府という構想は、今日のアメリカ政治体制の基礎を築いたものとして高く評価されています。