ARPとは「Air Raid Precautions(防空対策)」の略称で、第二次世界大戦中にイギリスで設立された民間防衛組織です。1935年に創設され、敵軍による空敵軍による空襲が現実の脅威となるなか、一般市民の生命と財産を守るための中核的な存在として活躍しました。
ARPの主な役割
ARPの最大の任務は、空襲に備えて市民を組織し、適切に訓練することでした。その活動範囲は多岐にわたり、負傷者への救急処置、焼夷弾などによる火災の消火活動、そして倒壊した建物からの救助作業など、空襲直後の緊急対応全般を担当していました。
防空監視員による地域での活動
ARPには「防空監視員(Air Raid Wardens)」と呼ばれるボランティアが数多く参加していました。彼らは街頭を巡回しながら、夜間の灯火管制(ブラックアウト)の徹底や防空壕への誘導などを行い、地域住民の生活に密着した形で防衛活動を支えました。
市民への情報提供と啓発
さらにARPは、空襲時にどのように身を守ればよいかという具体的な対処法について、ポスターやラジオなどを通じて幅広く情報提供と助言を行っていました。これにより、市民一人ひとりが日頃から空襲への備えを実践できるよう促しました。
なお、ARPは1941年に「民間防衛隊(Civil Defence Service)」へと改編され、終戦までイギリス国民の安全を守り続けました。