20世紀前半、特にアメリカ合衆国へ向かう移住の流れにおいて、どの国から最も多くの人々が海を渡ったのでしょうか。実は、1920年代と1930年代では、世界情勢や米国の移民政策の変化によって、移民の出身国の構成に大きな違いが見られます。ここでは、それぞれの時代に移民を多く送り出した国をランキング形式でご紹介します。
1920年代に移民が多かった国トップ5
1920年代に最も多くの移民を送り出した国は、以下の5カ国です。
- 1位:イタリア
- 2位:ポーランド
- 3位:ドイツ
- 4位:ロシア
- 5位:カナダ
この時期には、イタリアをはじめとする南欧諸国や、ポーランド・ロシアといった東欧諸国からの移民が非常に多いのが特徴でした。戦後の経済的混乱や政治的不安定さを背景に、新たな生活を求めて大西洋を渡る人々が急増しました。
しかし、1924年に成立した米国の移民法(ジョンソン=リード法)により、出身国ごとの受け入れ枠(クォータ制)が導入されると、南欧・東欧出身者の移住は大幅に制限されることになります。これが、その後の移民構成の転換点となりました。
1930年代に移民が多かった国トップ5
続いて、1930年代に移民を多く送り出した国は以下の通りです。
- 1位:ドイツ
- 2位:イタリア
- 3位:ポーランド
- 4位:カナダ
- 5位:メキシコ
1930年代は、世界大恐慌の影響で移民全体の数が激減した時代でした。それでもドイツが首位となった背景には、ナチス政権の台頭により、ユダヤ人を中心とした難民や亡命者が急増したことがあります。
また、この時期の注目ポイントは、メキシコがトップ5に初めて名を連ねたことです。地理的な近さや雇用機会を求める動きから、ラテンアメリカからの移民が徐々に増加し、その後の米国移民史における重要な潮流となっていきました。
まとめ
1920年代はイタリアを筆頭に南欧・東欧諸国からの移民が主流だった一方、1930年代には移民政策の変化やナチス政権の台頭、大恐慌などの影響を受けて、ドイツが首位となり、メキシコも上位に顔を出すようになりました。移民の出発地の変遷は、まさにその時代の世界情勢を映す鏡だと言えるでしょう。