オセアニアの歴史

巡礼者たちは何月にカンタベリーへ向かった?『カンタベリー物語』の出発時期を解説

ジェフリー・チョーサーの代表作『カンタベリー物語』において、巡礼者たちがカンタベリーへ出発したのは「4月」です。

4月の出発を示す有名な序章

『カンタベリー物語』の総序(プロローグ)は、「四月には、しっとりとした雨が三月の干上がった大地を潤し……」という一節で始まります。この冒頭の春の描写により、物語の舞台が4月であることが明確に示されています。

中世ヨーロッパでは、厳しい冬が終わり、道や天候が安定する春は巡礼の季節とされていました。4月は旅立ちにふさわしい時期であり、多くの人々が聖地を目指して歩き出したのです。

『カンタベリー物語』とはどんな作品か

本作は、ロンドン南岸のサザークにある「タバード・イン」という宿に集まった約30人の巡礼者たちが、イングランド南東部のカンタベリー大聖堂にあるトマス・ベケットの聖廟を目指して旅をする、という枠組みで構成された連作故事集です。

旅の途中、一行は退屈しのぎとして、往路と復路に各自が物語を語り合うことを約束します。騎士、修道院長、商人、粉屋など、身分も職業も異なる登場人物たちが語る多彩な物語の数々が、14世紀イングランド社会の生き生きとした群像として描き出されている点が、この作品最大の魅力です。

まとめ

『カンタベリー物語』の巡礼者たちが出発したのは4月です。総序の冒頭に描かれた春の情景は、イギリス文学史上最も有名な書き出しの一つとして、今日まで広く親しまれています。