オセアニアの歴史

パレスチナ人のルーツは?「パレスチナ人」になる前の人々とその歴史

「パレスチナ人」というアイデンティティには、単一の明確な起源物語は存在しません。この言葉は、多様な民族・宗教・言語的背景を持つ複雑な集団を指すために使われているためです。しかし、パレスチナのアイデンティティを構成する主要な要素のいくつかは、古代中東の時代にまで遡ることができます。

パレスチナ人の形成に関わった主な集団

カナン人(Canaanites)

カナン人は、紀元前3500年頃から紀元前12世紀にかけて、カナンの地(現在のイスラエル/パレスチナ)に居住していた古代セム系民族です。この地域に住んだ最古の集団の一つとされており、今日、多くのパレスチナ人が自らをカナン人の子孫であると主張しています。

ペリシテ人(Philistines)

ペリシテ人は、エーゲ海方面に起源を持つ諸民族の連合体で、紀元前12世紀に現在のイスラエル/パレスチナの地中海沿岸に定住しました。彼らはカナン人や地域の他のセム系諸族と密接な関係を持ち、聖書ではイスラエル人の敵として言及されています。なお、「パレスチナ」という地名自体がペリシテ人に由来するという説は広く知られています。

イェブス人(Jebusites)

イェブス人は、紀元前19世紀頃から紀元前10世紀にかけて、イェブス(現在のエルサレム)の街に暮らしていた古代セム系民族です。彼らは最終的にダビデ王によって征服され、イスラエル王国の一部となりました。

ユダヤ人(Jewish People)

ユダヤ人は、紀元前13世紀の古代イスラエル人の時代にまで遡る、イスラエル/パレスチナの地における長く複雑な歴史を持っています。紀元前6世紀にこの地から追放されましたが、地域とのつながりを保ち続け、20世紀になって大規模に帰還しました。

アラブ・ムスリム(Arab Muslims)

アラブ・ムスリムは7世紀にイスラエル/パレスチナの地を征服し、この地域にイスラム教をもたらしました。時代が下るにつれ、現地のキリスト教徒やユダヤ教徒の多くがイスラム教を受け入れ、アラビア語が支配的な言語となりました。こうしてアラブ・ムスリムは、それ以前の住民の子孫たちとともに、パレスチナ人口の中核を形成していきました。

チェルケス人(Circassians)

チェルケス人は、もともとユーラシアの北カフカース地方に居住していた民族です。19世紀、ロシア帝国によって故郷から追放された大量のチェルケス人が、オスマン帝国領内、すなわちイスラエル/パレスチナの地へ再定住しました。今日でも多くのチェルケス人がナザレや地域の各地に暮らしています。

まとめ

以上に挙げたのは、パレスチナ人の形成に関わった集団のほんの一部です。パレスチナのアイデンティティは極めて複雑であり、歴史的出来事や政治的な動向によって、今なお進化し続けています。