オセアニアの歴史

なぜアメリカは英連邦(コモンウェルス)に加盟していないのか?その理由を解説

アメリカ合衆国が英連邦(コモンウェルス・オブ・ネーションズ)に加盟していない最大の理由は、同国が現代の英連邦の枠組みに一度も属したことがなく、独立以降ずっとイギリスの主権下に戻らなかったからです。

英連邦とはどのような組織か

英連邦は、かつて大英帝国の植民地や支配地域だった国々を中心とした国家連合です。加盟国の大多数は、イギリスからの独立を経て自主的に残った国々であり、歴史・法制度・言語などの共通性を基盤に、経済や文化の分野で協力関係を築いています。現在は56か国が加盟しており、イギリス国王を象徴的な首長と仰ぐ国々も含まれます。

アメリカが加盟しない理由

実はアメリカも18世紀には、東海岸一帯を「13植民地」としてイギリスが統治する時代がありました。しかし、1776年の独立宣言、そして1783年のパリ条約でイギリスがアメリカの独立を承認したことで、同国は完全な主権国家として歩み始めました。

重要なのはタイミングです。今日の英連邦の原型が形づくられたのは、1931年のウェストミンスター憲章や1949年のロンドン宣言以降、つまり20世紀に入ってからです。それより約150年早く独立を果たしたアメリカは、そもそもこの枠組みの対象となる時期が存在しませんでした。

さらに、独立戦争でイギリスから離脱したという歴史的経緯から、アメリカは建国当初から強い独立意識と独自の外交路線を重視してきました。世界有数の大国として自らのアイデンティティを確立しているため、英連邦への加盟に政治的なメリットを見出すことはほとんどありませんでした。

例外もある:元植民地でない加盟国

ただし、「元イギリス植民地であること」が加盟の絶対条件というわけではありません。モザンビーク(1995年)やルワンダ(2009年)、近年ではガボンやトーゴ(2022年)のように、イギリスとの歴史的つながりが薄い国も加盟を認められています。理論上、アメリカにも加盟の道は開かれていますが、これまで申請を検討したことは一度もありません。

まとめ

アメリカが英連邦に属さないのは、1783年に独立を勝ち取って以来、一切イギリスの主権下に入ってこなかったためです。現代の英連邦が成立するより前に独立していたという歴史的背景と、独立国としての強い誇りが、非加盟の根本的な理由といえます。