オセアニアの歴史

コロンブスはなぜ西へ航海したのか?アメリカ大陸発見の目的と「地球は丸い」説の真実

クリストファー・コロンブスが目指したのは、西回りの航路によるアジア到達でした。当時のヨーロッパでは、東洋の香辛料や絹などの品々が高い価値を持っていましたが、既存の交易ルートは遠回りであり、中継地での関税や長い航海期間といった大きな障害がありました。そこでコロンブスは、大西洋をひたすら西に進めば、やがて極東(アジア)にたどり着けるはずだと考えたのです。

コロンブスが信じていた「地球球体説」

コロンブスは「地球は球体である」という考えを強く信じていました。実は地球が丸いこと自体は、古代ギリシャの時代から学者たちの間ですでに知られており、エラトステネスは紀元前に地球の円周をかなり正確に計算していました。つまり、コロンブスの航海が地球の球形を初めて証明したわけではないのです。

ただし、コロンブスが想定していた地球の大きさは実際よりもかなり小さく、アジアまでの距離を大幅に過小評価していました。この誤算こそが、当時の技術では到底不可能と思われた大洋横断への挑戦を可能にしたとも言えます。

アメリカ大陸の発見は「偶然」の産物

重要なのは、コロンブスが当初から新しい大陸を発見するつもりはなかったという点です。彼の目的はあくまでアジア、とりわけ黄金や香辛料で栄えるインドや中国への到達でした。

1492年8月、スペイン王室の支援を受けて出航したコロンブスの船団は、約2か月後の10月12日、バハマ諸島の島(現在のサン・サルバドル島とされる)に到達しました。ところがコロンブス自身は、この地をアジアの一部、すなわち「東インド諸島」だと最後まで信じ続けました。現地の人々を「インディオ(インド人)」と呼んだのは、まさにそのためです。

世界史を変えた予期せぬ到達

こうしてコロンブスは、意図せずしてアメリカ大陸への扉を開くことになりました。地球の球形を決定的に証明したのは、むしろその後のマゼラン艦隊による世界周航(1519年~1522年)ですが、コロンブスの航海はヨーロッパとアメリカ大陸をつなぐ恒久的な交流の始まりとなり、大航海時代の幕開けとして世界史を大きく塗り替えたのです。