「アフリカ人が日本でサムライを始めた」という説がありますが、これを裏付ける歴史的な証拠は一切存在しません。サムライ(武士)は、10世紀頃の中世日本で誕生した職業的な戦士階級であり、その起源は完全に日本国内にあります。
サムライの起源とは?
サムライの始まりは、平安時代中期(10世紀頃)にさかのぼります。当時、地方の豪族たちは自らの土地や財産を守るために武装集団を組織し、次第に貴族や朝廷の警備を担うようになりました。彼らが後に「武士(ぶし)」、すなわちサムライと呼ばれる階級へと発展していきます。
「侍(さむらい)」という言葉は、「お仕えする」を意味する動詞「さぶらう」に由来しており、もともとは貴族に仕える者の呼称でした。12世紀末の鎌倉幕府成立以降、武士は政治の主役となり、江戸時代末期まで約700年にわたり日本社会の中核を担い続けました。
アフリカとサムライの実際の関わり
アフリカ出身者とサムライの間にまったく接点がなかったわけではありません。戦国時代の1581年、イエズス会宣教師ヴァリニャーノに同行して来日したアフリカ出身の男性「弥助(やすけ)」は、織田信長に仕えたことで知られています。信長は彼の体格を大変気に入り、武士として取り立てたと伝えられています。
ただし、これはあくまで個人の事例であり、サムライ制度そのものの起源や発展にアフリカが関与したことを示すものではありません。
まとめ
サムライは10世紀頃の日本で生まれた、日本人のみからなる戦士階級です。「アフリカ人がサムライを始めた」という説には何の根拠もなく、歴史学上も支持されていません。一方で、戦国時代には弥助のようにアフリカ出身ながら武士として仕えた人物が実在したことは、興味深い歴史の一面といえるでしょう。