オセアニアの歴史

タバスコ族とトラスカン族はいかにしてエルナン・コルテスのアステカ征服を助けたのか?

1519年、スペイン人の征服者エルナン・コルテスがメキシコ湾岸に上陸したとき、彼が率いていたのはわずか数百人の兵士でした。それにもかかわらず、彼は数年後には強大なアステカ帝国を滅ぼすことに成功します。この驚くべき成果の背後には、先住民であるタバスコ族とトラスカン族の協力が大きく関わっていました。

タバスコ族:最初の出会いと重要な通訳者

コルテスは上陸直後、まずタバスコ族(マヤ系の先住民)との戦闘を経験しました。セントラの戦いで勝利を収めた後、タバスコ族は降伏し、スペイン人に以下のような重要な貢献を行いました。

  • 兵士と女性の提供: タバスコ族はコルテスに数千人規模の戦士や現地の女性たちを贈りました。その中には、後に「ドーニャ・マリーナ」として知られるようになるラ・マリンチェも含まれていました。
  • 前進拠点の確保: スペイン人はタバスコ地方を足場として確保し、内陸の首都テノチティトランへ向けて進軍するための準備を整えることができました。
  • アステカ帝国への窓口: タバスコ族との接触を通じて、スペイン人は初めてアステカ帝国の存在とその文化について知ることになりました。

特にラ・マリンチェは、マヤ語とナワトル語に精通していたため、コルテスにとって不可欠な通訳兼顧問となり、以降の交渉や軍事作戦において決定的な役割を果たしました。

トラスカン族:勝利を左右した同盟者

内陸に進んだコルテスは、当初トラスカン族と激しく衝突しました。しかし、アステカ帝国に長年敵対し、重い貢納を強いられていたトラスカン族は、共通の敵を持つスペイン人と手を組むことを選びます。この同盟は、征服戦争の行方を左右するほど重要でした。

  • 決定的な軍事同盟: トラスカン族は数万人規模の戦士を提供し、スペイン側の圧倒的な兵力不足を補いました。アステカを打ち破るうえで、この同盟は不可欠なものでした。
  • 食料・宿舎・輸送の供給: 慣れない土地で戦うスペイン人に対し、トラスカン族は食料や宿泊場所を提供し、物資の運搬も担いました。
  • 軍事作戦への参加: テノチティトラン包囲戦をはじめとするアステカに対する一連の戦いで、トラスカン族の戦士たちは最前線で戦い、大きな犠牲を払いながらも貢献しました。
  • 征服後の信頼される同盟者: 征服後もトラスカン族はスペインに忠誠を示し、メキシコ全土の平定において貴重な味方であり続けました。その功績により、彼らは他の先住民よりも有利な特権を与えられることになります。

まとめ

タバスコ族はコルテスに足場と通訳者という出発点を与え、トラスカン族は圧倒的な兵力と物的支援によって征服戦争そのものを支えました。コルテスの「勝利」は、スペイン人の武力や技術だけでなく、アステカの支配に不満を抱く先住民諸民族との同盟によって成し遂げられたものだったのです。