南アメリカの歴史

ブラジル臨時政府期(1930~1934年)とは?ヴァルガス政権の誕生と変遷

「臨時政府」とは、1930年革命の勝利後、ジェトゥリオ・ヴァルガスがブラジルを統治した1930年から1934年までの時期を指します。

この時代は、ヴァルガスを中心とした権力の集中と、旧来の州寡頭勢力の不満との間で緊張関係が続いた時期でした。

1930年革命

ブラジル臨時政府期(1930~1934年)とは?ヴァルガス政権の誕生と変遷

1930年革命は、第一共和政(旧共和政)の政府に対する不満を背景に、ジェトゥリオ・ヴァルガスが主導したクーデターによって連邦政府の権力を奪取した出来事です。

臨時政府の最初の措置としては、以下が挙げられます。

  • 国民会議(議会)および元老院の閉鎖
  • 1891年憲法の停止
  • 各州知事(旧州長官)の解任

また、教育衛生省や労働産業商業省といった新しい省庁も相次いで創設されました。

ヴァルガスは近いうちに大統領選挙を実施すると約束しましたが、その決定を可能な限り先延ばしにし続けました。彼はカトリック教会の支持を取り付けることで、大統領の座を維持することに成功します。

しかし、こうした姿勢は、1930年の運動に参加した多くの同志たちの不満を買うこととなりました。

臨時政府と尉官(テネンテス)

革命に勝利したジェトゥリオ・ヴァルガスは、1930年革命への貢献を理由に、尉官(テネンテス)たちを行政の要職に登用しました。ところが、この政治的な人事は、国内に強固な地盤を持つコロネル(大佐層)たちの反発を招き、彼らは政府への対抗姿勢を強めていきました。

尉官たちは、選挙で選ばれた州知事が解任された後、「干渉官(インターヴェントル)」という名称で各州を統治するようになりました。

尉官にはジュアレス・タヴォラ、ジュラシ・マガリャンイス、ジョアン・アルベルト、アリー・パレイラスらが名を連ねましたが、マウリシオ・デ・ラセールダやペドロ・エルネストのような文民も含まれていました。

ジュアレス・タヴォラは北部諸州代表(エスピリトサント州からアマゾナス州までを管轄)に、ジョアン・アルベルトはサンパウロ州干渉官に任命されました。また、ジュラシ・マガリャンイスはバイーア州、アリー・パレイラスはリオデジャネイロ州の干渉官に選ばれています。

ペドロ・エルネストは連邦区の干渉官に任命され、マウリシオ・デ・ラセールダはウルグアイ駐在大使を務めましたが、その後まもなくヴァルガスと決裂しました。

革命から1年後、臨時政府は「干渉官規程」を採択し、任命された尉官たちの権限を制限しました。これにより、海外からの借款の禁止や、国軍を上回る警察力の保持も禁じられることになりました。

一方、軍部はリオデジャネイロに拠点を置く「10月3日クラブ」のもとに結集し、軍隊を強化するための方策を議論しました。彼らは労働改革を支持する一方で、選挙や制憲議会の招集には反対の立場を取りました。

しかし、寡頭勢力は選挙の実施と憲法改正を求め、尉官たちの政治的強化を防ごうとして、次第にヴァルガスへの挑戦を強めていったのです。

1932年革命と臨時政府

ブラジル臨時政府期(1930~1934年)とは?ヴァルガス政権の誕生と変遷

サンパウロ州民(パウリスタ)に率いられた寡頭勢力の不満は、サンパウロにおける1932年革命(制憲革命)の発端となりました。

この蜂起の目的は、行政職の選挙実施と制憲議会の設置を求めることにありました。政府の拒否に直面したパウリスタたちは武装蜂起しましたが、反乱はヴァルガスによって鎮圧されました。

それでも翌年には全国制憲議会が開かれ、新憲法が公布されるとともに、ヴァルガス自身が正式に大統領に選出されました。

1934年憲法の主な内容は以下の通りです。

  • 直接・秘密投票による選挙の実施
  • 大統領任期の4年制
  • 職能別代表の連邦議員制度の創設

新憲法の施行により、臨時政府とテネンチスモ(尉官運動)は幕を下ろし、ヴァルガス時代は「憲政政府(立憲政府)」と呼ばれる新たな段階へと移行していきました。

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