南アメリカの歴史

アメリカ生まれではない大統領は何人いたのか?その答えと憲法の理由

結論から言うと、アメリカ合衆国の歴史において、アメリカ人として生まれなかった大統領は一人もいません。これまでのすべての大統領が「生まれながらの米国市民(natural-born citizen)」だったのです。


これは偶然ではなく、憲法が定める厳格な資格要件によるものです。


憲法が定める「生まれながらの市民」要件

アメリカ合衆国憲法第2条第1項は、大統領就任の必須条件として「生まれながらの米国市民」であることを明確に求めています。この規定があるため、帰化によって市民権を取得した人物は、どれほど優秀で国民的な支持を集めていても、大統領に立候補することができません。


建国初期の大統領はどうなのか?

ここで疑問に思われるかもしれません。初代のジョージ・ワシントンや2代目のジョン・アダムズなど、建国当初の大統領は独立以前にイギリス領土で生まれています。


しかし、彼らは憲法が発効した時点で既にアメリカの市民であったため、「生まれながらの市民」と同等の資格を持つものとみなされました。つまり、建国の父たちには特別な経過措置が適用された形です。


身近な例:シュワルツェネッガー氏の場合

分かりやすい例が、オーストリア生まれの俳優アーノルド・シュワルツェネッガー氏です。彼はカリフォルニア州知事を務めるほどの政治家として成功しましたが、大統領選への出馬は不可能です。帰化市民である以上、「生まれながらの市民」要件を満たせないからです。


グレーなケースも存在する

一方で、カナダで生まれたテッド・クルーズ上院議員のように、出生時に片親または両親が米国市民であった場合、「生まれながらの市民」に該当するかどうかが議論になった事例もあります。海外駐在員の子供などを想定した解釈の問題であり、現在でも専門家の間で見解が分かれるテーマの一つです。


まとめ

アメリカ大統領はすべて「アメリカ人として生まれた」か、それと同等の資格を持つ人物だけが務めてきました。これは単なる慣習ではなく、合衆国憲法に明文化された絶対的な要件なのです。